平成27年度第30回海洋化学学術賞

平成27年度第30回海洋化学学術賞は,平成27年4月25日(土)京都大学楽友会館にて,杉山雅人氏に授与されました.(アルバム)

杉山雅人氏

2015_Sugiyama

所属・職:京都大学大学院人間・環境学研究科・教授

略歴:
1980年 京都大学理学部化学科卒業
1985年 京都大学大学院理学研究科博士後期課程研究指導認定退学
1985年 京都大学化学研究所教務補佐員
1985年 京都大学化学研究所文部技官
1986年 京都大学理学博士
1987年 京都大学教養部助手
1989年 京都大学教養部助教授
1992年 京都大学総合人間学部助教授
1996年 英国ランカスター大学環境・生物科学研究所客員教授
2003年 京都大学大学院人間・環境学研究科助教授
2006年 京都大学大学院人間・環境学研究科教授
2006年 京都大学大学院地球環境学堂教授(両任)
2013年 京都大学国際高等教育院教授(両任)

受賞題目:陸水域における微量元素の生物地球化学過程

推薦理由:杉山雅人氏は,長年にわたり水圏の物質循環の研究を精力的に続けてきた.主な業績は以下の5つに分類できる.(1)溶存無機成分の化学動態,(2)有機物質の化学動態,(3)懸濁粒子成分の化学動態,(4)生物地球化学過程の比較水圏化学研究,(5)世界最大・最深・最古のバイカル湖の基礎生産と物質循環モデル.杉山氏は,水循環のタイムスケールが大きく異なるさまざまな湖沼と海洋を通して,すべての元素の物質循環を系統的に理解するという独特な視点で研究を進め,多くの新たな知見を得た.その発表論文は,海外の論文や著書にも数多く引用されている.また,その成果は海洋化学の研究に大きな指針となっている.このように国内外に認められている同氏の優れた業績と水圏化学への長年の貢献は海洋化学学術賞にふさわしいと確信する.