令和6年度第39回海洋化学学術賞
令和6年度第39回海洋化学学術賞は,令和6年4月27日(土)京都大学楽友会館にて,石井雅男氏に授与されました.
石井雅男氏
所属・職:気象研究所気候・環境研究部・主任研究官
略歴:
1984年3月 名古屋大学理学部化学科卒業
1989年3月 名古屋大学大学院理学研究科博士課程(後期課程)化学専攻修了,理学博士
1989年4月 気象研究所地球化学研究部研究官
1996年4月 同主任研究官
2010年4月 同室長
2018年4月 気象研究所海洋・地球化学研究部部長
2019年4月 気象研究所気候・環境研究部部長(改組による)
2020年4月 気象研究所研究総務官
2022年4月 気象研究所気候・環境研究部主任研究官(再任用),現在に至る
受賞題目:海洋の広域炭酸系観測による炭素循環の研究
推薦理由:
石井雅男氏は,溶液化学の平衡論・速度論の知識や装置設計を含む緻密な実験研究の経験を活かして,海洋炭酸系パラメーターの測定装置の開発と広域観測を精力的に進め,海洋CO2動態の研究分野において世界をリードする国内の第一人者となった.その優れた研究成果は,機器開発やデータベース構築に波及するとともに,海洋への人為起源CO2蓄積および海洋酸性化の実態解明にも貢献した.また,石井氏は国際海洋炭素観測連携プロジェクト(IOCCP)などの委員,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第一作業部会第6次評価報告書のリードオーサーなどとしても活躍し,国際協力の推進や研究成果の普及にも大きな役割を果たした.よって,石井氏の優れた業績や活動は海洋化学学術賞(石橋賞)に相応しいと考えられるので,同氏を受賞者に推薦する.