令和8年度第41回海洋化学学術賞
令和8年度第41回海洋化学学術賞は,令和8年4月25日(土)京都大学楽友会館にて,長尾誠也氏に授与されました.
長尾誠也氏


所属・職:金沢大学環日本海域環境研究センター・教授
略歴:
平成2年3月 北海道大学大学院水産学研究科博士後期課程単位取得の上退学
平成2年4月 日本原子力研究所(現在:日本原子力研究開発機構)入所 研究員
平成3年12月 北海道大学大学院水産学研究科 博士(水産学)取得
平成11年4月 日本原子力研究所東海研究所 副主任研究員
平成13年10月 北海道大学大学院地球環境科学研究科 助教授として採用
平成19年4月 北海道大学大学院環境科学研究院 准教授(名称変更)
平成21年1月 金沢大学環日本海域環境研究センター教授として異動
平成28年4月 金沢大学環日本海域環境研究センター センター長 現在に至る
受賞題目:沿岸から縁辺海域における放射性核種と有機物の動態研究
推薦理由:
長尾氏は長年にわたり堆積物や海水の海洋化学研究を進めてきた.堆積物中間隙水を空気に触れることなく採取できる装置を開発し,還元環境下でウランは還元されて間隙水から除去されることを明らかにした.堆積物中の鉄酸化物等の化学成分と色変化との定量的関係を明らかにした.天然水中の微量金属やアクチノイドと親和性が高い腐植物質に着目し,腐植物質の分子サイズが微量元素錯体の特徴を支配していることを明らかにした.福島第一原子力発電所事故の影響評価のため,河川・海洋環境におけるCs-134,137の動態について国内外との共同研究により多くの成果を報告した.さらに,金沢大学環日本海域環境研究センター長として,平成28年度から令和7年度までの10年間文科省共同利用・共同研究拠点の採択・継続認定を受け,放射性核種,多環芳香族炭化水素類などの有害物質の大気・陸域・海洋での移行動態研究を主導し,さらに生態系・ヒトの健康影響までを含めた統合環境研究を創出した.以上のような海洋化学における長尾氏の優れた研究業績や地方大での研究領域先導は海洋化学学術賞(石橋賞)にふさわしい.